Saturday, April 23, 2011

リチャード・セラ、ドローイング展、メトロポリタン美術館 4/21/'11

圧倒的な存在感のある彫刻のイメージが強いリチャード・セラのドローイング展が、メトロポリタン美術館であるということで、先日仕事の帰りに寄ってみました。


セラの展示のことを教えてくれたのは、私の仕事場の上司、ドイツ人のメッカでした。


メッカはメトロポリタン美術館で20年以上働く、主に木造芸術品担当の修復師です。
彼女がちょっと興奮気味に、”セラの使っている紙の一部がHIROMI PAPERっていうのよ”と教えてくれました。


HIROMI PAPER ??


確かに私と同じ名前だ。


そんな事もあって、閉館後のドローイング展を訪ねました。




















































ドローイング展とは呼んではいるものの、セラの描き方はドローイングだけには納まりません。
































2次元の中での3次元の表現。



ミディアムは躍動し、その存在を主張します。













































































セラの現在の作品を思い起こさせる作品たちも。


































































And, my favorite..............













作品と空間との距離感、関係性について考えさせられました。



そして、HIROMI PAPERに描かれた作品たち。

















リチャード・セラという一人の芸術家の歴史を学んだ充実した夜でした。



















ニューヨークチャリティーアート展を終えて

先日私と、同じくNY在住アーティストの友人2名と企画/運営しました、日本の被災者の方々のためのチャリティーイベントが収益約2万ドルという予想以上の結果を残し終了いたしました。

参加頂いたアーティスト、ボランティア、そして会場にお越し下さった皆様、本当にありがとうございました。

収益全額はニューヨーク、ジャパンソサエティーを通して日本復興のために寄付されました。

今回、”一人ではなかなか難しい事も他者と協力し合えば乗り越えられる”ということをイベントを通して学びました。

これからの日本のために今の私たちにはたくさんの課題が残されましたが、今後は今まで以上に協力し合って生きて行けたらと思います。

マンハッタンで行われた今回のイベントで頂いた日本へのメッセージを動画でまとめました。どうぞご覧ください。




Sunday, March 27, 2011

東北関東大震災被災者のためのNYチャリティーアート展

日本の被災地の方たちのために


日本の復興のために


アートを制作している私にできること



ニューヨークに住んでいる私にできること



そんな思いから、同じ思いを持つ仲間たちとチャリーティーアート展を企画しました


詳しくは以下の詳細をお読みください


お近くの方は足を運んでいただいて


遠くの方はお友達にお知らせいただけることで


できるだけ多くの義援金を日本に送れることを願っています


野村島弘美




3月11日、日本全体を襲った地震、津波が去って10日間が経ちましたが、日本各地は引き続き余震、そして福島原発の処理が滞ったまま、多くの人たちが苦しさと不安の中の生活を余儀なくされています。今回の災害での被害総額は日本円で16兆円にものぼると言われ、今回の地震が日本にどれほどの影響を及ぼしたのかが予想されます。現在日本を離れ、アメリカ、ニューヨークでアーティスト活動をしている私たち日本人にとっても、祖国の人々が苦しみ美しい日本が破壊されている現状を見るのは辛いものです。スクリーンを通して見る被災地の現状をただ見つめていることしかできない、そんな毎日の中で ”私たちが日本の、日本の人たちのためにできること” を考えた末チャリティーショウを行うことになりました。
マンハッタンにあるアートスクール、ナショナルアカデミーデザインスクールの1階ラウンジを会場に、3月30日から4月7日まで収益全額寄付という形でチャリティーショウを行います。オープニングパーティーは30日の午後5時から8時を予定しております。チャリティーショウで得られた義援金は被害に遭われた各県の人々の元へ、ジャパンソサエティーを通して送らせて頂きます。尚、今回の展示では、ナショナルアカデミー職員の方々も多数ご参加してくださるようです。
アート作品を購入することがあまりない方も、今回のチャリティーショウを機会にたくさんのアートに触れ合ってみていただけたらと思います。お支払い頂いた金額の全てが、被災地の方々、さらに今後の日本復興に役立つ大切な義援金になることでしょう。
注意:お買い上げの際は小切手のみの受付となります。
National Academy School
5 East 89th Street
New York, New York, 10128
Tel : 212-996-1908
今回のチャリティーショウに限らず義援金の送金を希望をされている方はジャパンソサエティーに直接小切手を送られることも可能です。以下ご参照ください。
Japan Society
333 East 47th Street
New York, New York, 10017
Attn : Japan Earthquake Relief Fund
*小切手の宛名をJapan Society “Japan Earthquake Relief Fund”としてください。

Thursday, March 17, 2011

Kathe Kollwitz - 悲しみの表現者 :NY ART NOW 番外編 3/17/11

ドイツ、ベルリンで2つの戦争を経験した女性がいました。
彼女の名前はケイティー・コルヴィッツ、アーティストです。





























コルヴィッツの作品はタイムレスな魅力に溢れ、見るものを惹き付けます。

子供を失った親。

親を失った子供。

彼らの嘆き、悲しみが胸に響きます。












































































































いつも当たり前に隣にいてくれた人を突然失う辛さ。

慣れない不自由な暮らし。

そしてやり場のない不安。



何度となく人々の暮らしに襲いかかる闇を描いた彼女の作品を、ふっと観たくなりました。



東北の大震災で亡くなられた方々のご冥福を心より申し上げます。

そして被災地で不自由な暮らしを強いられている方々、どうかご自愛くださいませ。




*なお、ご興味のある方の為にドイツに幾つかあるケイティー・コルヴィッツ美術館の中から、私が訪ねましたベルリンの美術館の英語/ドイツ語サイトをご紹介いたします。
http://www.kaethe-kollwitz.de/museum-en.htm

Monday, March 7, 2011

Visit to ARMORY & VOLTA in NYC 3/4/11 Vol.1







今年もやってきました、この季節といえばARMORY & VOLTA!
今年は美術館の上司から借りたVIPカードを手に心身共に準備万端会場へ。


まず今年初体験のVOLTAへ。


VOLTAは世界各国の86のギャラリーがそれぞれ一人のアーティストを選んで紹介しています。そのためか、参加ギャラリーは訪ねて来る人々に対して、熱心にそしてフレンドリーに対応していました。


”アートとは何か”、と、この答えの出ない問いが大きな波となって打ち寄せて来る様な、とてつもない種類の数の作品たち。VOLTAでこれなんだからさらに大きなARMORYの会場に行ったらどうなるんだろう。


そんな中で、心惹かれたアーティストたち。


まずはメキシコ、バレンシアのEspaivisor-Visor Galleryからの写真家、Tatiana   Parcero。http://espaivisor.com/t_parcero.html























自身の体のパーツ写真と、解剖学図や地図などを組み合わせて表現する独特の世界観に引き込まれました。

私が滞在した1時間半、このブースには常に人だかりができていて、作品も私が見たところ一番売れていた様です。



次にドイツ、ベルリンのPool Galleryから参加、Nicky Broekhuysen。
http://www.pool-gallery.com/





























8作品かならるシリーズと3つのインスタレーションを発表してました。
私が特に惹かれたのは、まずシリーズもので(写真上参考)、真っ白な紙に小さなスタンプの”0”と”1”で十字架が崩れて、けむりになっていく様を描いています。


そしてもう1つは、本を積み重ねて作った平面に、同じく”0”と”1”のスタンプでけむりの様なものを描いた作品。





























これにはかなり惹かれて、いつかこの作品からインスパイヤーされた作品を創りたいなあと思いました。



まだまだたくさん良い作品があったのですが、最後にストリートシーンを多く描くペインターを紹介。ニューヨークのLyons Wier Gallery から、Tim Okamura。
http://www.lyonswiergallery.com/tim_okamura.html




























Tim Okamuraはカナダ出身で日本人とのハーフ。画家になる前はカナダのラジオ番組のMCとして活躍していたという異色の経歴の持ち主。


写真では伝わりませんが、キャンバス、特にハイライトの部分にはべっとりと油絵具が付いていて、3ディメンションな感覚を演出しています。”これが油絵の魅力だ!”というのが全体から伝わってくる、そんな力強い作品たちでした。


次回は引き続いてARMORYショウをご紹介していきます。

Sunday, February 27, 2011

Karen Kunc's Show and Her Woodcut Workshop 2/20/11

4年ほど前にカレン・クンツの版画をマンハッタンのナショナルアカデミー美術館で観ました。和紙に刷られたその作品は、日本人なら誰もがなじみのある質感です。その反面色使いはとても斬新で、4年経った今でも私はその作品を良く覚えています。

そんな彼女が行ったマンハッタンでの3日間のワークショップに参加してきました。
私にとってはあこがれのアーティスト、カレンとの出会いにわくわくしながら。

カレンは明るく、素朴で、版画、特に木版画を心から楽しんで作品を創る女性でした。
彼女の技術は"Reduction Woodcut"といって、色をのせたい部分を残しながら木版を削っていく技法です。






まず下絵を描いてそれを2枚(時には3枚)の板にトレースします。2枚の板を使うことによって作品にのせる色と形の幅を広げることができます。作品の中には、観ただけではとても複雑でまねのできない様々なテクニックが隠れています。











”失敗を恐れずにとにかく刷ること。その経験が次の作品に活かされる。” そんなカレンの言葉に励まされながらも私たちは悪銭苦闘。3日間という短い時間の中で良い作品を完成させようと頑張ります。


カレンが持っているテクニックや知識のほかに、35年間続けてきた作家活動の中での彼女の作品の変化にたくさんインスピレーションをもらいました。作品の変化の中で一番目を引くのは、いらないものを削ぎ落としている部分と、その確信をもった色使いです。
































3月3日までマンハッタンのエリザベスアートファンデーション5階でカレンの作品が展示されています。機会のある方はどうぞ、オリジナルの作品をご覧ください。
http://www.efanyc.org/


カレン・クンツの作品/活動に興味のある方はカレンのホームページをご覧くださいませ。
http://www.karen-kunc.com/index.php

Thursday, February 10, 2011

David Reed's Studio Visit 2/10/2011





デヴィト・リードの作品を初めて見た時、上手く言葉で表現できない感情が生まれたのを覚えています。一見、グラフィティーっぽくも見えるけど、水彩画を連想させるもする。生物上の何か、もしくは体内にあるものにも見えるけれど、自分が水中にいるような感覚を思い起こさせもする。

そんなユニークな作品を発表し続け、長くアート界の第一線に立つデヴィットのマンハッタンのソーホーにあるスタジオを訪ねました。

創作中のペインティングたちの横、壁びっしりと貼られている作品の計画図の様なもの。





”作品が新しい作品を呼ぶ”。そういう彼の繊細な字で埋まったノートは、それ自体がアートのように、生き生きとしています。

何度も試行錯誤を重ね、自分が求める色相、透明/不透明性、そしてコンポジションを模索していく。自分が納得いくまで時間をかけて作品を仕上げるとのこと。なので、テクニック自体はスピードを要するものでも、長いときは4、5年かけてひとつの作品を仕上げるそうです。






これは上の計画図をもとに製作中の作品。

主張の強い作品と思っていたので、実際デヴィットに会って話してみて、彼の穏やかな口調や受け答えに意外性を覚えました。






私からのデヴィットへの質問は、”1980年頃から始めたというこの独特なペインティングスタイルとの出会いはまったくの偶然だったのか。それとも長年の努力の末、やっと見つけたものなのか”、ということ。

デヴィットは私にその中間だ、と言いました。”長く自分のスタイルを模索していたのも事実。その結果、このスタイルを生み出すことができた”、と。






作品制作、出版物製作のほかに、2年に一度キュリエーターとなってグループ展を開催してもいるとか。彼がバランス良く、自分の作品への集中力を絶やさないことと、若手やアーティスト仲間の活動を応援する姿勢は素晴らしいと思います。

最後に、3月の上旬、ノルウエーのオスローでの二人展に出品予定の作品たちのイメージをお届けします。






今回ご紹介したデヴィット・リードのウエブサイトはこちらです。