デヴィト・リードの作品を初めて見た時、上手く言葉で表現できない感情が生まれたのを覚えています。一見、グラフィティーっぽくも見えるけど、水彩画を連想させるもする。生物上の何か、もしくは体内にあるものにも見えるけれど、自分が水中にいるような感覚を思い起こさせもする。
そんなユニークな作品を発表し続け、長くアート界の第一線に立つデヴィットのマンハッタンのソーホーにあるスタジオを訪ねました。
創作中のペインティングたちの横、壁びっしりと貼られている作品の計画図の様なもの。
”作品が新しい作品を呼ぶ”。そういう彼の繊細な字で埋まったノートは、それ自体がアートのように、生き生きとしています。
何度も試行錯誤を重ね、自分が求める色相、透明/不透明性、そしてコンポジションを模索していく。自分が納得いくまで時間をかけて作品を仕上げるとのこと。なので、テクニック自体はスピードを要するものでも、長いときは4、5年かけてひとつの作品を仕上げるそうです。
これは上の計画図をもとに製作中の作品。
主張の強い作品と思っていたので、実際デヴィットに会って話してみて、彼の穏やかな口調や受け答えに意外性を覚えました。
私からのデヴィットへの質問は、”1980年頃から始めたというこの独特なペインティングスタイルとの出会いはまったくの偶然だったのか。それとも長年の努力の末、やっと見つけたものなのか”、ということ。
デヴィットは私にその中間だ、と言いました。”長く自分のスタイルを模索していたのも事実。その結果、このスタイルを生み出すことができた”、と。
作品制作、出版物製作のほかに、2年に一度キュリエーターとなってグループ展を開催してもいるとか。彼がバランス良く、自分の作品への集中力を絶やさないことと、若手やアーティスト仲間の活動を応援する姿勢は素晴らしいと思います。
最後に、3月の上旬、ノルウエーのオスローでの二人展に出品予定の作品たちのイメージをお届けします。
今回ご紹介したデヴィット・リードのウエブサイトはこちらです。
本楽しんだよー、どうもありがとう!大体その、”作品の計画図”についてぽかったね。アーティストはアートだと思ってなかったけど、第3者にしてみると”ドローイング”というアートだという。 ペインティングもかっこいいねー
ReplyDeleteペインティング、かなりかっこいいです!私アメリカンアートっぽい作品って本来苦手なんだけれど、彼の作品は斬新だけどすごく繊細。
ReplyDelete機会があったらオリジナルを観て欲しいな。