Monday, June 6, 2011

アレキサンダー・マックイーン展、メトロポリタン美術館 5/30/’11

”SAVAGE  BEAUTY ― ワイルド、狂気的な美しさ”  


そう題された故アレキサンダー・マックイーンの回顧展がメトロポリタン美術館で開かれている。オープン前のGALAパーティーでは10億円の収益を上げ、開催前から話題のこの回顧展は、今までのメトロポリタン美術館のどの展示よりも素晴らしい。


その素晴らしいさは、マックーンが残していった多数の芸術品だけには収まらず、展示室の内装、音響もとても凝っている。一歩足を踏み入れると、そこはまさに別世界。






























入り口の2着のドレス(偶然にもジャパンカラー?)を通ると、

























まず最初の部屋は、”The Romantic Mind”










































完璧なテーラリングを施された服たちが、もの凄い存在感で佇んでいる。

そしてマックイーンの残したクオート。











































































































”確立されたシルエットや、類のないカッティングを提供したい。そうしたら人々は言うだろう、21世紀はアレキサンダー・マックイーンから始まったと。”
































And, my favorite...........

























































大きく開いた胸元と、しぼられた袖口が対照的なジャケット。

まるで十字架に縛り付けられたイエスそのもののよう。






































次の部屋は、”Romantic Gothic and Cabinet of Curiosities”





                                                













































































































独創的なアクセサリーが展示用のキャビネットに収納されている。



そして ”Romantic Nationalism”


























伝統的なタータンチェックが少女性と格式の高さを同時に演出している。

この部屋は私が個人的とても好きな部屋だ。



そして”Romantic Exoticism”











万華鏡を思わせる空間に贅沢な刺繍が施された服たちが並んでいる。


この部屋はマックイーンが日本と中国にインスパイヤされて創ったコレクションが展示されている。


そして”Romantic Primitivism”
部屋の中心にマックイーンが残したドローイングが壁紙として使われている。


躊躇のない滑らかなライン。とても良いドラフトマンだったことを伺わせる。













女性らしさを強調したこの部屋は母性をも感じさせる。


そして最後に”Romantic Naturalism”。





この部屋はマックイーンが志半ばに亡くなったように作品数が少ないが、
彼の地球環境への関心が感じられる。



故アレクサンダー・マックイーンは、私が10代から20代にかけてファッションデザインを勉強していた頃からヒーロー的な存在だった。20代の若さでファッション界にその名を定着させ、自身のラインだけでなくジバンシーのデザイナーとしても活躍した。



マックイーンの残したワイルドさとエレガンスを兼ね備えたスタイルは、彼がいなくなったこれからも人々の間で語り継がれていくであろう。



アレキサンダー・マックイーン ”SAVAGE BEAUTY”


Sunday, May 8, 2011

フランク・ステラ&フォアン・ヨン・ピン 

先週の木曜日、5月5日にメトロポリタン美術館1階のオーディトリアムルームで、
アーティスト、フランク・ステラ氏と、同じくアーティスト、フォアン・ヨン・ピン氏との対談があった。


対談と言っても、二人のアーティストの距離(実際的な距離ではなく、あくまでも気持ちの距離的なもの)は大きく、2名の仲介人が間に入って質問を投げかけていく形であった。


私は興味の全てを、ビックネーム”フランク・ステラ”に100%注いでいて、もう一人のアーティスト、中国人のフォアン氏の事はまったく知らなかった。


会場を見渡せば、ニューヨークのアッパークラスの人々、アートクリティーク関係者、美術学生と見られる若者の集団、そして私の様なnon-American としてアーティスト活動をしている者と実に様々な人々がステージに立つアーティストを見つめていた。


ステラ氏は、おおよそ70代であろうか、少し丸まった背中を椅子にもたれかけさせながら淡々と自分のペースで話す。話のシャープさは年齢をまったく感じさせない。


時代とともに変化して来たステラ氏の作風の中でも、群を抜いて人々の記憶に残っているのが、通称”ブラックペインティング”。























発表された当時は、とても斬新で多くの批評家が”ブラックペインティングの後は何も出すものがないんじゃないの”とコメントしたそうだ。


その後もステラ氏は挑戦を続け、新しい作品を世に送り出して行った。































































もう一方のフォアン氏、89年よりパリに在住しているが出身は中国郊外。
年齢は50代であろうか、小柄な男性である。


フォアン氏の発言はすべて中国語で行われ、隣にはトランスレーターが付き添っていた。
けれど、氏は大きなジェスチャーを交え、あたかも私たち観客すべてが中国語を理解するかのように情熱的に話しを続けた。


89年の天安門事件の際国を後にし、パリを拠点にアーティストとして活動を続けているフォアン氏の作品の多くは、時代を反映し、挑戦的である。


特にフォアン氏を世界的に有名にした作品、”二冊の中国語の美術教材を3時間洗濯機であらったチリの山”はとても挑戦的で、コンセプチャルアーティスト、マルセル・ドュシャンプの作品を思い出させる。



フォアン氏の作風は実に幅広い。哲学や社会学、そして過去と現在の社会風刺らを題材にしたものが多く見られる。






















砂と少量のセメントを混ぜて創られた建築物。
”作品を残す事が絶対だとは考えない”、氏はそう語る。






























































フォアン氏の作品に私が共感を覚えるのは、作品の多くが宇宙や自然の壮大さを物語っているからだと思う。


氏は直接、そして間接的にそれらを私たちに伝える。


もうひとつ感じたのは、フォアン氏の言葉はとても率直で、自分の考えにとても素直な事。
どのアーティストも”人脈を、チャンスを自分のものに”としている今日、あえてそのサークルから一歩身を引いた視点を持とうと心がけている様子。それが実は彼と彼の作品の魅力なのかもしれない。


”自分が自分の生まれた環境、年代と違った場所、時代に生まれていたら、私の作品はきっと、今とはまったく違っていたものになっていたでしょう”。
フォアン氏のアーティストとしての柔軟性を表す一言である。

Saturday, April 23, 2011

リチャード・セラ、ドローイング展、メトロポリタン美術館 4/21/'11

圧倒的な存在感のある彫刻のイメージが強いリチャード・セラのドローイング展が、メトロポリタン美術館であるということで、先日仕事の帰りに寄ってみました。


セラの展示のことを教えてくれたのは、私の仕事場の上司、ドイツ人のメッカでした。


メッカはメトロポリタン美術館で20年以上働く、主に木造芸術品担当の修復師です。
彼女がちょっと興奮気味に、”セラの使っている紙の一部がHIROMI PAPERっていうのよ”と教えてくれました。


HIROMI PAPER ??


確かに私と同じ名前だ。


そんな事もあって、閉館後のドローイング展を訪ねました。




















































ドローイング展とは呼んではいるものの、セラの描き方はドローイングだけには納まりません。
































2次元の中での3次元の表現。



ミディアムは躍動し、その存在を主張します。













































































セラの現在の作品を思い起こさせる作品たちも。


































































And, my favorite..............













作品と空間との距離感、関係性について考えさせられました。



そして、HIROMI PAPERに描かれた作品たち。

















リチャード・セラという一人の芸術家の歴史を学んだ充実した夜でした。



















ニューヨークチャリティーアート展を終えて

先日私と、同じくNY在住アーティストの友人2名と企画/運営しました、日本の被災者の方々のためのチャリティーイベントが収益約2万ドルという予想以上の結果を残し終了いたしました。

参加頂いたアーティスト、ボランティア、そして会場にお越し下さった皆様、本当にありがとうございました。

収益全額はニューヨーク、ジャパンソサエティーを通して日本復興のために寄付されました。

今回、”一人ではなかなか難しい事も他者と協力し合えば乗り越えられる”ということをイベントを通して学びました。

これからの日本のために今の私たちにはたくさんの課題が残されましたが、今後は今まで以上に協力し合って生きて行けたらと思います。

マンハッタンで行われた今回のイベントで頂いた日本へのメッセージを動画でまとめました。どうぞご覧ください。




Sunday, March 27, 2011

東北関東大震災被災者のためのNYチャリティーアート展

日本の被災地の方たちのために


日本の復興のために


アートを制作している私にできること



ニューヨークに住んでいる私にできること



そんな思いから、同じ思いを持つ仲間たちとチャリーティーアート展を企画しました


詳しくは以下の詳細をお読みください


お近くの方は足を運んでいただいて


遠くの方はお友達にお知らせいただけることで


できるだけ多くの義援金を日本に送れることを願っています


野村島弘美




3月11日、日本全体を襲った地震、津波が去って10日間が経ちましたが、日本各地は引き続き余震、そして福島原発の処理が滞ったまま、多くの人たちが苦しさと不安の中の生活を余儀なくされています。今回の災害での被害総額は日本円で16兆円にものぼると言われ、今回の地震が日本にどれほどの影響を及ぼしたのかが予想されます。現在日本を離れ、アメリカ、ニューヨークでアーティスト活動をしている私たち日本人にとっても、祖国の人々が苦しみ美しい日本が破壊されている現状を見るのは辛いものです。スクリーンを通して見る被災地の現状をただ見つめていることしかできない、そんな毎日の中で ”私たちが日本の、日本の人たちのためにできること” を考えた末チャリティーショウを行うことになりました。
マンハッタンにあるアートスクール、ナショナルアカデミーデザインスクールの1階ラウンジを会場に、3月30日から4月7日まで収益全額寄付という形でチャリティーショウを行います。オープニングパーティーは30日の午後5時から8時を予定しております。チャリティーショウで得られた義援金は被害に遭われた各県の人々の元へ、ジャパンソサエティーを通して送らせて頂きます。尚、今回の展示では、ナショナルアカデミー職員の方々も多数ご参加してくださるようです。
アート作品を購入することがあまりない方も、今回のチャリティーショウを機会にたくさんのアートに触れ合ってみていただけたらと思います。お支払い頂いた金額の全てが、被災地の方々、さらに今後の日本復興に役立つ大切な義援金になることでしょう。
注意:お買い上げの際は小切手のみの受付となります。
National Academy School
5 East 89th Street
New York, New York, 10128
Tel : 212-996-1908
今回のチャリティーショウに限らず義援金の送金を希望をされている方はジャパンソサエティーに直接小切手を送られることも可能です。以下ご参照ください。
Japan Society
333 East 47th Street
New York, New York, 10017
Attn : Japan Earthquake Relief Fund
*小切手の宛名をJapan Society “Japan Earthquake Relief Fund”としてください。

Thursday, March 17, 2011

Kathe Kollwitz - 悲しみの表現者 :NY ART NOW 番外編 3/17/11

ドイツ、ベルリンで2つの戦争を経験した女性がいました。
彼女の名前はケイティー・コルヴィッツ、アーティストです。





























コルヴィッツの作品はタイムレスな魅力に溢れ、見るものを惹き付けます。

子供を失った親。

親を失った子供。

彼らの嘆き、悲しみが胸に響きます。












































































































いつも当たり前に隣にいてくれた人を突然失う辛さ。

慣れない不自由な暮らし。

そしてやり場のない不安。



何度となく人々の暮らしに襲いかかる闇を描いた彼女の作品を、ふっと観たくなりました。



東北の大震災で亡くなられた方々のご冥福を心より申し上げます。

そして被災地で不自由な暮らしを強いられている方々、どうかご自愛くださいませ。




*なお、ご興味のある方の為にドイツに幾つかあるケイティー・コルヴィッツ美術館の中から、私が訪ねましたベルリンの美術館の英語/ドイツ語サイトをご紹介いたします。
http://www.kaethe-kollwitz.de/museum-en.htm