Sunday, August 7, 2011

番外編:東京アートフェア 2011

7月31日、3日目最終日となる東京アートフェア2011年に足を運びました。
本来今年4月に開催される予定だったフェアも、震災の影響で延期になったそうです。


1年ぶりの日本、そして東京は以前と変わらぬ様子でした。
そんな変わらぬ東京が、この5ヶ月の間に起こった事ごとを私に考えさせます。


ニューヨークのアートフェアに毎年足を運ぶ私も、東京では初めての体験。
とても新鮮な気持ちで会場へ入りました。


ご一緒したのは友人の切り絵作家/イラストレーターの辻恵子さん。
私が渡米する前からの友人で、キラリと光るセンスを持つ素敵な作家さんです。
彼女のご活躍はアーティストサイトをご参照ください。
http://www.tsujikeiko.com/bio.j.html


2011年東京アートフェアには述べ133軒のギャラリーが参加。
日本ならではの古美術・工芸品から日本画・洋画、そして現代アートまで、幅広いジャンルのアートが並んでいました。


その中で私が気になったアーティストたちをご紹介いたします。


まずは小山登美夫ギャラリーで展示されていた風能奈々さん。
彼女の独特な世界観は沢山あった作品たちの中でも目を惹きました。


独特な色使い、そして作品の素材や大きさ選びも作品そのものに良くあっていた様に思います。どこか懐かしいけれど新鮮、そんな魅力ある作品たちでした。

















続いてギャラリー戸村で展示していた高松和樹さん。
プロフィールには仙台市出身とあり、参加される際にご苦労はあったのだろうかと。
















透明感のある白のグラデーションで遠近感を出し、キャンバスの中に小宇宙を造り出している様でした。構成のセンス・バランスが良く、展示の際のまとまりもとても良かったです。





次にご紹介するのが靖山画廊で展示なさっていた彫刻家の吉水快聞さん。
”快聞”さんというお名前を読んで、もしや?と思っていましたが、やはり2005年に浄土宗の僧侶の資格を取得された作家さんでした。


彼の作品は仏教の世界観を表すように、蓮の花を始め生殖物が多くのモチーフになっています。写真ではお伝えできず残念ですが、長年培われたであろう彫りの技術には匠の技を見る事ができました。







こちらの靖山画廊ブログに吉水さん他、参加アーティストの事が詳しく載っています。




そして最後にご紹介するのが新進気鋭の画家、藤原由葵さん。
彼女は、ヨコイ・ファインアート、ギャラリーエギヌの2軒で作品が展示されていました。


実は彼女のオリジナル作品を以前からずっと観てみたかったのです。
そして、この日ついに願いが叶いました!








ヨコイ・ファインアートで展示されていた作品、”吉祥天”!!!
(対であろう”黒闇天”と一緒に展示)
私はそこに作品のもの凄い存在感を感じました。


お話ししたギャラリーオーナーのヨコイさんがおっしゃっていた様に、
比べ物にならない、ずば抜けた技術力、精神性、そしてコンセプトがそこにありました。



確かに日本のフェアは、ニューヨークのアートフェアに比べたら規模も作品レベルもかなわないかもしれません。でも、そんなものを全部吹き飛ばすほどの作品を私は目にしたのです。




Monday, July 11, 2011

Dia Beacon : マンハッタンからの遠足

 "Dia Beacon "


皆さんはこの名前を耳にしたことはありますか?


実は私も去年始めて友人のアーティストから聞いたのですが、ここは" Dia Art Foundation "が運営する、Beaconにある巨大なミュージアムです。Beaconの他に、Chelseaやニューヨーク市内外でアートを楽しめるようになっています。


さて、Beaconはマンハッタンのグランドセントラル駅からメトロノースで1時間半ほどの所にあります。このメトロノースはハドソン川沿いをはしり、晴れていると景色を楽しみながら旅をすることができます。


今日の天気はあいにくの小雨。でもコーヒーとマフィンを買い込んで電車に乗り込みます。


今日は少し遠足に行く様な気分で、アートスチューデント&アーティスト5人、話に花が咲きます。


午後1時10分Beacon駅到着。


駅からの案内を追って行くと。。。





















































マンハッタンの喧騒から離れた、静寂の中にたたずむ大きなミュージアム。


中に入ると、入り口からは想像できない様なさらに広々とした空間。


残念ながら、館内は写真撮影禁止だったので載せられる写真がないのですが。。。
ここで展示のラインナップ!




 
Dia:Beacon
Blinky Palermo: Retrospective 1964-1977
at Dia:Beacon and CCS Bard June 25, 2011 - October 31, 2011
 
Dia:Beacon
Franz Erhard Walther: Work as Action
October 2, 2010 - February 13, 2012
 
Dia:Beacon
Imi Knoebel: 24 Colors—for Blinky, 1977
May 17, 2008 - ongoing
 
Dia:Beacon
Sol LeWitt: Drawing Series...
September 16, 2006 - ongoing
 





コンセプチャルアートが多く展示されていたように思います。


この他にも、昨年亡くなったLouise Bourgeoisの彫刻がたくさん展示されていました。



























































個人的には私は彼女の作品が一番好きでした。



その他Richard Serraのドローイングと巨大彫刻が展示。



























Serraの彫刻の前に立っている友人達をパチリ。



それから、ゆっくり休憩できるカフェもありました。























ある日曜日の過ごし方。


皆様も、お試しあれ。

Monday, June 6, 2011

アレキサンダー・マックイーン展、メトロポリタン美術館 5/30/’11

”SAVAGE  BEAUTY ― ワイルド、狂気的な美しさ”  


そう題された故アレキサンダー・マックイーンの回顧展がメトロポリタン美術館で開かれている。オープン前のGALAパーティーでは10億円の収益を上げ、開催前から話題のこの回顧展は、今までのメトロポリタン美術館のどの展示よりも素晴らしい。


その素晴らしいさは、マックーンが残していった多数の芸術品だけには収まらず、展示室の内装、音響もとても凝っている。一歩足を踏み入れると、そこはまさに別世界。






























入り口の2着のドレス(偶然にもジャパンカラー?)を通ると、

























まず最初の部屋は、”The Romantic Mind”










































完璧なテーラリングを施された服たちが、もの凄い存在感で佇んでいる。

そしてマックイーンの残したクオート。











































































































”確立されたシルエットや、類のないカッティングを提供したい。そうしたら人々は言うだろう、21世紀はアレキサンダー・マックイーンから始まったと。”
































And, my favorite...........

























































大きく開いた胸元と、しぼられた袖口が対照的なジャケット。

まるで十字架に縛り付けられたイエスそのもののよう。






































次の部屋は、”Romantic Gothic and Cabinet of Curiosities”





                                                













































































































独創的なアクセサリーが展示用のキャビネットに収納されている。



そして ”Romantic Nationalism”


























伝統的なタータンチェックが少女性と格式の高さを同時に演出している。

この部屋は私が個人的とても好きな部屋だ。



そして”Romantic Exoticism”











万華鏡を思わせる空間に贅沢な刺繍が施された服たちが並んでいる。


この部屋はマックイーンが日本と中国にインスパイヤされて創ったコレクションが展示されている。


そして”Romantic Primitivism”
部屋の中心にマックイーンが残したドローイングが壁紙として使われている。


躊躇のない滑らかなライン。とても良いドラフトマンだったことを伺わせる。













女性らしさを強調したこの部屋は母性をも感じさせる。


そして最後に”Romantic Naturalism”。





この部屋はマックイーンが志半ばに亡くなったように作品数が少ないが、
彼の地球環境への関心が感じられる。



故アレクサンダー・マックイーンは、私が10代から20代にかけてファッションデザインを勉強していた頃からヒーロー的な存在だった。20代の若さでファッション界にその名を定着させ、自身のラインだけでなくジバンシーのデザイナーとしても活躍した。



マックイーンの残したワイルドさとエレガンスを兼ね備えたスタイルは、彼がいなくなったこれからも人々の間で語り継がれていくであろう。



アレキサンダー・マックイーン ”SAVAGE BEAUTY”


Sunday, May 8, 2011

フランク・ステラ&フォアン・ヨン・ピン 

先週の木曜日、5月5日にメトロポリタン美術館1階のオーディトリアムルームで、
アーティスト、フランク・ステラ氏と、同じくアーティスト、フォアン・ヨン・ピン氏との対談があった。


対談と言っても、二人のアーティストの距離(実際的な距離ではなく、あくまでも気持ちの距離的なもの)は大きく、2名の仲介人が間に入って質問を投げかけていく形であった。


私は興味の全てを、ビックネーム”フランク・ステラ”に100%注いでいて、もう一人のアーティスト、中国人のフォアン氏の事はまったく知らなかった。


会場を見渡せば、ニューヨークのアッパークラスの人々、アートクリティーク関係者、美術学生と見られる若者の集団、そして私の様なnon-American としてアーティスト活動をしている者と実に様々な人々がステージに立つアーティストを見つめていた。


ステラ氏は、おおよそ70代であろうか、少し丸まった背中を椅子にもたれかけさせながら淡々と自分のペースで話す。話のシャープさは年齢をまったく感じさせない。


時代とともに変化して来たステラ氏の作風の中でも、群を抜いて人々の記憶に残っているのが、通称”ブラックペインティング”。























発表された当時は、とても斬新で多くの批評家が”ブラックペインティングの後は何も出すものがないんじゃないの”とコメントしたそうだ。


その後もステラ氏は挑戦を続け、新しい作品を世に送り出して行った。































































もう一方のフォアン氏、89年よりパリに在住しているが出身は中国郊外。
年齢は50代であろうか、小柄な男性である。


フォアン氏の発言はすべて中国語で行われ、隣にはトランスレーターが付き添っていた。
けれど、氏は大きなジェスチャーを交え、あたかも私たち観客すべてが中国語を理解するかのように情熱的に話しを続けた。


89年の天安門事件の際国を後にし、パリを拠点にアーティストとして活動を続けているフォアン氏の作品の多くは、時代を反映し、挑戦的である。


特にフォアン氏を世界的に有名にした作品、”二冊の中国語の美術教材を3時間洗濯機であらったチリの山”はとても挑戦的で、コンセプチャルアーティスト、マルセル・ドュシャンプの作品を思い出させる。



フォアン氏の作風は実に幅広い。哲学や社会学、そして過去と現在の社会風刺らを題材にしたものが多く見られる。






















砂と少量のセメントを混ぜて創られた建築物。
”作品を残す事が絶対だとは考えない”、氏はそう語る。






























































フォアン氏の作品に私が共感を覚えるのは、作品の多くが宇宙や自然の壮大さを物語っているからだと思う。


氏は直接、そして間接的にそれらを私たちに伝える。


もうひとつ感じたのは、フォアン氏の言葉はとても率直で、自分の考えにとても素直な事。
どのアーティストも”人脈を、チャンスを自分のものに”としている今日、あえてそのサークルから一歩身を引いた視点を持とうと心がけている様子。それが実は彼と彼の作品の魅力なのかもしれない。


”自分が自分の生まれた環境、年代と違った場所、時代に生まれていたら、私の作品はきっと、今とはまったく違っていたものになっていたでしょう”。
フォアン氏のアーティストとしての柔軟性を表す一言である。