そう題された故アレキサンダー・マックイーンの回顧展がメトロポリタン美術館で開かれている。オープン前のGALAパーティーでは10億円の収益を上げ、開催前から話題のこの回顧展は、今までのメトロポリタン美術館のどの展示よりも素晴らしい。
その素晴らしいさは、マックーンが残していった多数の芸術品だけには収まらず、展示室の内装、音響もとても凝っている。一歩足を踏み入れると、そこはまさに別世界。
入り口の2着のドレス(偶然にもジャパンカラー?)を通ると、
まず最初の部屋は、”The Romantic Mind”
完璧なテーラリングを施された服たちが、もの凄い存在感で佇んでいる。
そしてマックイーンの残したクオート。
”確立されたシルエットや、類のないカッティングを提供したい。そうしたら人々は言うだろう、21世紀はアレキサンダー・マックイーンから始まったと。”
And, my favorite...........
大きく開いた胸元と、しぼられた袖口が対照的なジャケット。
まるで十字架に縛り付けられたイエスそのもののよう。
次の部屋は、”Romantic Gothic and Cabinet of Curiosities”
独創的なアクセサリーが展示用のキャビネットに収納されている。
そして ”Romantic Nationalism”
伝統的なタータンチェックが少女性と格式の高さを同時に演出している。
この部屋は私が個人的とても好きな部屋だ。
そして”Romantic Exoticism”
万華鏡を思わせる空間に贅沢な刺繍が施された服たちが並んでいる。
この部屋はマックイーンが日本と中国にインスパイヤされて創ったコレクションが展示されている。
そして”Romantic Primitivism”
部屋の中心にマックイーンが残したドローイングが壁紙として使われている。
躊躇のない滑らかなライン。とても良いドラフトマンだったことを伺わせる。
女性らしさを強調したこの部屋は母性をも感じさせる。
そして最後に”Romantic Naturalism”。
この部屋はマックイーンが志半ばに亡くなったように作品数が少ないが、
彼の地球環境への関心が感じられる。
故アレクサンダー・マックイーンは、私が10代から20代にかけてファッションデザインを勉強していた頃からヒーロー的な存在だった。20代の若さでファッション界にその名を定着させ、自身のラインだけでなくジバンシーのデザイナーとしても活躍した。
マックイーンの残したワイルドさとエレガンスを兼ね備えたスタイルは、彼がいなくなったこれからも人々の間で語り継がれていくであろう。
アレキサンダー・マックイーン ”SAVAGE BEAUTY”